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第二十五話:『風のたより』

ツイイーと風をきって、ツバメの紳士が舞いおりてきました。
紳士はポッペンとプッピンの窓辺に一通の手紙を届けると、また ツイイーと空高く、舞いあがっていきました。


みなさんげんきですか ツィギーです
ぼくはいま ききゅうにのって たびをしているのです
ええ バルーンがたのおおきな ほんもののききゅうです ゴンドラも ついています。バルーンには にじ や くもや とりたちのえが かいてあります ぼくは 画家でバルーンけんきゅうかのピラートル さんといっしょに ききゅうで たびをしているのです それというのも ぼくが こんなにも かるいから  ピラートルさんは ぼくをのせてくれることになったのです ほかの人たくさんいました  みんなのりたいといいました でも ききゅうは ひとりのりでした ぼくのからだは バルーンの ロープに しっかりとゆわえられています バルーンの空気は いっぱいにふくらんで とてもかいちょうです ぼくも とてもおおきく かいちょうに ふくらんでいます  このてがみをみたら どうか じょうくうを ごらんください こうど 3000メートル にしのほうがく です


「高度2000メートル西の方角だって?」
あんまりおどろいたものですから、ポッペンとプッピンはおそらく あさっての方角をみていたのでしょう。首がいたくなるほどに みあげても、そこにはもくもくと白い夏雲が、まるでなんだか クマのかたちをして立ちあがっているばかりで――。

(おしまい)

 
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