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第四話:『ポッペンとプッピンの新しいともだち』

 プッピンは帽子やら洋服をつくるときにどうしてもどんなにがんばっても少しずつ 余り布ができてしまうのを捨てられずにいたのでした。
「クッキーやパンだねであれば、まるめてしまってもうひとつふたつ何かつくることも できるのに」 プッピンがいつもながらそうつぶやくと、「やったらいいじゃあないの。 まるめて、ひとつにしてさ、」
そういうが早いかポッぺンはパンヤの残りをぐいぐいと丸めて何やら動物らしい形を つくったかと思うと、そこへプッピンが箱にどっさりためていた色とりどりの端切れを どんどん継ぎ足しはじめました。もちろんノリで、です。(ポッペンが針と糸をどれほど 使用しないかは、ポッペンとプッピンの1話から11話に明らかです)
 あっけにとられてプッピンが見守っていると、ものの三十分もたたないうちに、緑色の コーデュロイやら茶のツイードやらグレイの木綿やらピンクのナイロンやら、もうありとあらゆる 生地がごちゃまぜに継ぎはぎされた妙ちくりんの小さなクマができあがりました。
「はあ〜すごい」そのあまりの妙ちくりんさにプッピンはもちろんポッピンも驚いて、 しげしげとそれをみつめていたときです、ちょうどそこに魔女子さんが通りかかって「フッ」 と息を吹きかけたのでたまりません。継ぎはぎのクマはニ本足で元気よく歩きはじめ、 腕もバタバタさせて、そればかりか、「あの、何がどこにあって、だれが何なんだか」 と大騒ぎするので、察しのいいプッピンが素早く選んだ葡萄色のガラスのボタンを顔の 真ん中にぬいつけるとその目をパチクリさせて「やあ、これで見えるようになった。 よかったよかったありがとう」
と言ったのです。そしてプッピンとポッペンと魔女子さんに向かって、ピエロのようなお辞儀を ひとつしたのでした。

(この話つづく)

 
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